過去と未来は、こんなにも優しく入れ替わる
”切ない系ヒットメーカー”いぬじゅんの最新&最愛&最高傑作

それは、絶対に叶わない、誰にも言えない恋だった−−。
木下香織は二十歳の普通の大学生。友人もいて、バイトもして、片思いだけど好きな人もいる。だけど突然、気絶するように夢を見てしまう。遠い昔のような、不思議な夢のなか、もうひとりの「わたし」は、そこでも片思いの恋をしてしまう。叶うことがないとわかっている切ない恋を、誰にも言えないまま、現実と夢を生きる香織。この夢、この恋は、一体なんなのだろう。「私」ともうひとりの「わたし」が巻き起こす、ちょっと不思議な恋の物語。叶わない恋を叶える方法なんて、あるのだろうか−−。